「この人、頭いいな」
話していると、そう感じる人がいます。
知識も豊富。
質問するとすぐ答えが返ってくる。
物事の理解も早い。
話も上手で、説明もできる。
仕事をさせたら、きっと何でもできそう。
ところが、なぜか長期の仕事になると続かない。
短期の仕事ならできる。
その場その場では、むしろかなり能力を発揮する。
なのに、同じ場所で長く働くことになると、だんだん苦しくなってしまう。
こういう人を見ていると、
「能力があるのに、もったいないな」
と思うことがあります。
でも、もしかするとこれは、能力の問題ではないのかもしれません。
「できること」と「続けられること」は、同じではない
仕事で求められる能力というと、
頭の回転が速い
知識がある
判断が早い
人と話せる
問題を解決できる
新しいことを覚えられる
などを思い浮かべます。
もちろん、これらは仕事をするうえで大切な力です。
でも、長く同じ環境で働くとなると、それだけではありません。
たとえば、
決まったことを繰り返す
ルールに合わせる
周囲と歩調を合わせる
苦手な人とも関わる
すぐには成果が出ないことを続ける
自分で予定を管理する
面倒なことを後回しにせず処理する
自分の感情を調整する
こうした力も必要になります。
つまり、
「何ができるか」と「その環境の中で、それを継続して使えるか」は別の話。
ここを一緒にしてしまうと、
「こんなに能力があるのに、どうしてできないの?」
という疑問が生まれます。
短期の仕事では、能力がすごく見えることがある
短期の仕事では、
「これをお願いします」
と言われて、
理解する
↓
判断する
↓
行動する
という流れで、ある程度完結できます。
しかも、期間が決まっている。
「とりあえずここまでやればいい」
というゴールも見えやすい。
だから、
理解が早い・判断が早い・行動が早い
という力が、そのまま成果につながりやすいことがあります。
ところが、長期の仕事になると話が変わってきます。
昨日と同じことを今日もやる。
自分の考えとは違うやり方にも合わせる。
人間関係も一日で終わらない。
仕事がうまくいかない日があっても、翌日また出勤する。
「正しい答え」を出すだけではなく、
その場に居続けながら調整する力が必要になってきます。
ここで、得意な能力と求められる力のズレが大きくなることがあります。
家庭に入ると、さらに見えやすくなることもある
このことは、仕事だけではありません。
たとえば一人暮らしのときには、
「部屋が散らかっていても、自分が困らなければいい」
「今日は疲れたから、料理はしない」
でも生活できます。
ところが結婚すると、
洗濯、掃除、食事、片付け、買い物、予定の管理など、
終わりのない仕事が一気に増えます。
しかも家庭には、
「ここまでやれば終了」
という明確なゴールがありません。
昨日片付けたのに、今日また散らかる。
昨日洗濯したのに、今日また洗濯物が出る。
つまり家庭生活には、
自分で優先順位をつけて、淡々と回し続ける力
が必要になります。
仕事では評価されるのに、家の中では何もできない。
そんな状態になる人がいても、不思議ではありません。
「だらしない人」と決めつける前に
もちろん、本当に生活習慣の問題である場合もあります。
でも、
「仕事はできるのに、家では何もできない」
という現象を見たときに、
「だらしない」
「やる気がない」
「責任感がない」
と決めつけてしまうと、その人の特徴を理解する機会を失ってしまいます。
大切なのは、
その人が何を得意としていて、どんな条件になると力を発揮しにくくなるのか。
という視点です。
パーソナリティカラーで見る「能力の使われ方」
私が人を理解するときに使っているのが、パーソナリティカラーという視点です。
ここでは、4色を単純に「あなたは○○タイプ」と決めるためには使いません。
その人が、
どんな力を持っていて、どんな状態なら自然にその力を発揮できるのか
を見るための一つの視点です。
たとえば、
🟡 イエローは、
自由な発想、好奇心、直感、広げる力。
🔵 ブルーは、
整理する、深める、仕組み化する、正確に扱う力。
そして、その土台になるのが、
🔴 レッド=動くためのエネルギー
🟢 グリーン=安心・つながり・休息・回復
です。
だから、
「イエローだから長期の仕事ができない」
という単純な話ではありません。
イエローの発想力や行動力があっても、
レッドのエネルギーが不足していれば動き続けられないかもしれない。
グリーンが枯渇していれば、人間関係や環境への負荷が大きくなるかもしれない。
ブルーの力を使うことが得意でも、それを使い続けるためのエネルギーがなければ続きません。
色は「できる・できない」を決めるものではなく、その人の力の使われ方を見るための手がかり。
そんなふうに捉えます。
「能力が高いのに続かない」をどう考えるか
ここで一度、
「この人は、何ができないんだろう?」
という問いを置いてみます。
そして、少しだけ変えてみる。
「この人は、どんな条件なら力を発揮し続けられるんだろう?」
この問いに変えるだけで、見えるものが変わります。
たとえば、
・自由度が高いほうが力を発揮できる
・期限が明確なほうが動きやすい
・一人で集中できる環境が合う
・人との調整が多い仕事では消耗する
・仕事内容より、人間関係の負荷が大きい
・新しいことを考えるのは得意だけれど、維持管理が苦手
・一度仕組みを作るのは得意だけれど、毎日運用するのは苦手
など、
「能力の有無」ではなく「能力が活きる条件」
が見えてくることがあります。
人を理解することは、欠点を探すことではない
私は、色彩心理を「人を分類するため」に使いたいわけではありません。
むしろ逆です。
「この人はこういう人だから仕方ない」
と決めるためでもない。
その人が持っている力を、
どんな場所で、どんな使い方をすれば、無理なく活かせるのか。
それを考えるために、人を理解したいと思っています。
仕事でも、家庭でも、人間関係でも、
「どうしてできないんだろう?」
と考えるだけではなく、
「何があれば、この人はもっと自然に力を発揮できるんだろう?」
と考えてみる。
それは、自分自身に対しても同じです。
自分を変える前に、「自分の使い方」を知る
もしかすると、
「もっとちゃんとしなきゃ」
「もっと続けられる人にならなきゃ」
と思っている人もいるかもしれません。
でも、必要なのは「できる人になること」ではなく、
自分の力が活きる条件を知ること
なのかもしれません。
得意なこと。
苦手なこと。
エネルギーを使うこと。
自然にできること。
頑張らないとできないこと。
それらを知っていくと、
「私はダメなんだ」
ではなく、
「私は、こういう仕組みなら力を発揮しやすいんだ」
という見方ができるようになります。
人を理解する。
自分を理解する。
そして、その力が活きる環境をつくる。
自分を変える前に、まず自分を知る。
その先に、自分らしく力を活かす方法が見えてくるのだと思います。
🌿 もう少し深く知りたい方へ
今回の記事では、
「能力があるのに、なぜか長続きしない」という現象を、能力と環境の相性という視点から考えてみました。
パーソナリティカラーでは、さらに
どんな力が自然に出やすいのか
どんな状態で力が出にくくなるのか
レッド・グリーンという土台はどう関係するのか
イエロー・ブルーの特性をどう活かすのか
というところまで、もう少し細かく見ていくことができます。
「自分はどうなんだろう?」
と思った方は、ぜひ自分自身にも当てはめながら読んでみてください。
ブログ記事一覧 人と自分を理解する色彩心理とパーソナルカラー
Profile
セラピストSue
「なぜ、あの人はそう動くのか。」
色彩心理で、人の感情・性格・行動を構造から読み解いています。
対人支援25年以上。
アパレル販売・カラーセラピー・心理支援の現場を通して、
「人を理解すると、人生も関係性も変わる」をテーマに発信しています。
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